物書きとは…!?

 そこでは、随分とグサグサ言われた。まず、職務経歴書。私が出したそれは、ただこれまでの経歴を書き連ねているだけで、訴えかけるものが何1つ無い。編集記者を始めて1年といっても、そこの部分が一番小さいようでは良くないということは自明の理である。

 出版業界のキャリアが短いということは、待遇にも影響する。おそらく、転職できたとしても、現状より給料は下がるだろう。それでも転職するのか、それとも…。

 「編集とは何か?」、「なぜ編集を目指すのか?」等々、職務経歴書に書き込むべきことは仕事内容の詳細以外にも沢山あると教えられ、こんな当たり前のことを怠っていた自分自身が恥ずかしくなると同時に、「なぜ俺は編集(物書き)になりたいのか?」という問いかけの答えに窮してしまった。

 俺は、この地球という星に産まれてきた証を残したい、形が残る仕事をしたいと思っている。そして、不器用な生き方しかできない自分の唯一の自己表現手段が文章であると思っている。だから出版業界を目指してきた。

 しかし、今日日本橋で話を聞いて、今俺が進んでいる道は、俺の信念に沿っているのだろうかと少し不安になった。甘ったれていると思われるかもしれないが、他の方法があるのではないだろうか。例えば、プライベートで書きためた文章を出版社に持ち込むとか…。

 紹介会社から職務経歴書を書き直すよう言われた。期日は来週の月曜日まで。今は、自分ができることをしようと思う。