お茶と写真の時間

 最近写真にはまっている私がブックオフでたまたま見つけた文庫本です。昔のカメラや色とりどりの写真が載っていて、見ているだけで楽しいのですが、その間にあるエッセイの中に、「写真は記録である」といっているのが、私と少し考えが違うのであります。
 
 私にとって、写真は「記録」ではなく「記憶」なのです。記録っていうと、何となく事務的な、堅苦しく、正確なニュアンスを含む気がしてしまいます。でも、記憶だと、ちょっとぼけていて、曖昧で、正確ではないけれど、「ああ、そういえば…」的な印象を持ちます。

 写真とは、そういうものだと思うのです。過去のことをはっきりと覚えている人はいないでしょう。写真を見て、思い出すことはできますが、それだって、正確に、はっきりと、その当時のことを思い出せる人はいない、と思います。でも、やっぱり、思い出したい、懐かしみたい…。

 少なくとも、私はそうなので、特に旅先では、これからも写真を撮るのでしょう。

aisbn:4777901114お茶と写真の時間