凡戦が一転、感涙の試合に。浦和2−0京都



 はっきり言って、フラストレーションのたまる試合だった。後半ロスタイムまでは。

 負ければ降格の京都サンガは必死にボールに食らいつく。激しさがレッズと全然違う。それでも、前半のうちにエジミウソン選手がゴールを決め、試合を優位に進める。

 それにしても、最近のエジミウソン選手は審判への文句が多すぎる。確かに不可解な判定も多いけど、もうちょっと紳士になれないだろうか。個人的には、プライベート(それとも来季の契約?)に何か問題を抱えているんじゃないかと邪推し、心配になる。新しいFWを探しているなどという報道もあるけど、外部の雑音に惑わされず、試合に集中して頑張って欲しい。

 そして、怪我から復帰したロブソン・ポンテ選手が82分から出場、91分にゴールを決めると埼玉スタジアム歓喜の渦に。私も目頭が熱くなった。

 もっと熱くなった(いや感涙した)のは、試合後のヒーローインタビュー。オーロラビジョンに涙するポンテ選手の姿が映ると、私も泣いていた。しかも、「今年の残り数試合がレッズでの最後の試合になるかもしれない」なんて衝撃の発言がでたものだから。。。

 確かに、年齢的なこともあるし、世代交代を図らなければいけないというのは理解できる。しかし、これが本当なら、浦和のフロントはダメだなぁ…

 怒りと涙の一撃だった。1−0の後半ロスタイムにダメ押しの2点目を決めた浦和レッズのMFポンテは試合後のヒーローインタビューで感極まって号泣した。

 「すべてのサポーターの後押しに感謝している。もしかすると、今年の数試合がレッズでの最後の試合になるかもしれない。だから今年は最後まで、このユニフォームに誇りを持って戦いたい。サポーターの声しか聞こえてなかった。この素晴らしいサポーターを愛している」

 自ら今季限りで退団する可能性を示唆した。今季限りで契約の切れるポンテだが、いまだ契約更新の打診はない。クラブ側と来季の契約についての話し合いもなく、一方でフロントはポンテの後継者としてアルビレックス新潟のMFマルシオ・リシャルデスの獲得に動いている。

 これにポンテの怒りが爆発した。「他の選手と接触しているのは知っている。他の選手とは接触しているのに、自分とはしていない」とフロントの対応を糾弾した。

 「自分のサポーターに対するリスペクトは高いけど、残念ながらクラブの中で自分にリスペクトを持ってない人がいる。自分は契約するとき、男として契約したし、契約しないときも面と向かってやってもらいたかった。裏でこそこそするのはよくない。大事なのは自分へのリスペクト。今まで自分がレッズの中でやってきたことは、それぐらいには値しているのではないかと思っている」

 05年7月、レバークーゼンから浦和に加入したポンテは攻撃の中心としてチームを引っ張ってきた。06年のJリーグ、07年のACL、05、06年度には天皇杯制覇と、クラブの黄金時代を築いてきた自負がある。今月6日で34歳になったとはいえ、今季もここまで24試合出場6得点。世代交代を進め、若手選手を重宝するフィンケ監督の評価は決して高いものではなかったが、この日も再三の決定機を生かせないチームの中、8分間の出場で結果を残したポンテの能力は際立っていた。

 「残念なのは自分に対する扱い」と不信感を口にするポンテは「自分はレッズを出たくなかったが、残念ながらそうなりそうなので」と退団も受け入れるつもりだ。今後については「自分は日本に残る」と、他のJクラブへの移籍を模索していく。「サポーターの自分への愛情は特別なものだった。自分もサポーターに愛情を持っていた。でも、上手くいかないこともある」。背番号10が浦和に別れを告げる日は近い。

 クラブは、監督・選手・スタッフに誠意ある対応をしているのか、本当に心配になる。こんなことが続くと、選手は浦和レッズを愛していても、皆出て行ってしまうぞ。

 あと、京都サンガ秋田豊監督のハーフタイムコメントに吹いた。