2010年の書評⑮「板谷バカ三代」

 会社の同僚にすすめられ、読んでみた。著者の名前は雑誌などで目にしたことはあったが、どんな人なのかは全く知らなかった。しかし、この本を読んで少し分かったような気がする。

 それにしても、この人の家族…面白すぎる!!電車の中で読んでいると、噴き出しそうでヤバかった。

 まずバアさん(著者の祖母)。朝食に養命酒をかけたコーンフレーク。サイダーと牛乳を混ぜたサイ牛。牛ダー。インスタントラーメンにしらす干しのふりかけ。ビデオデッキに食パンである。さらに著者の弟セージ。その友達ベッチョ、家政婦(?)の秀吉…。とにかく登場人物が皆面白すぎる。自分の周りにいたらツライだろうな、とは思うけど。また、ツッコミポイントを太ゴシックにフォントを変えているのが面白さを引き立たせている。「香ばしい展開」が本書のあちこちに…。

 しかし、あとがきで著者は現代日本社会への警鐘も鳴らしており、ただのおバカエッセイではない。さらに、よしもとばなな矢井田瞳ピエール瀧と豪華な特別寄稿も見逃せない。(2010年12月27日読了)

板谷バカ三代 (角川文庫)

板谷バカ三代 (角川文庫)